ざきさんが投稿した台風6号・きょうのうっかり・よくわからないまま始まったストーリー・良くある仲間内のいざこざ・AIに関するカスタム事例
2026年06月03日 22時09分
初めての軽自動車に戸惑い過ごす ボンビーカーライフ
何してるん?
肩をトントンって…
誰っ?
と思って振り向いたら…
想像にお任せします🐻🐻🐻
色々手を出してしまうとそれぞれ全然進まない…
そりゃそうだ
こっちだけでも先に終わらせないと…
「それじゃ、カウント行きまーす!」
雨上がりの港に、スターターの声が響く。
右手が高く掲げられる。
「5!」
グォォン!!
二台のエンジンが吠える。
路面に溜まった水が微かに震えた。
「4!」
ヴェォン!!
グォン!!
回転数が跳ね上がる。
ヤツのターボの過給音が湿った空気を切り裂く。
「3!」
時間が遅くなる。
フロントガラスの向こう。
ヘッドライトの光。
倉庫の壁。
フェンスの向こうのクレーン。
全てが静止画みたいに見えた。
左手はシフトノブ。
左足はクラッチを踏み込んでいる。
タコメーターの針だけが生き物みたいに震えていた。
「2!」
隣を見る。
あいつも見ていた。
一瞬だけ。
十年以上前。
同じチームで夜通し走っていた頃と同じ目だった。
次の瞬間には、互いに前を向いている。
「1!」
誰も息をしていない。
手下たちも。
港の風でさえ。
世界が引き金を引かれる直前みたいに張り詰める。
スターターの腕が振り下ろされた。
「GO!!」
ギャァァァァァァッ!!
凄まじいスキール音が夜を切り裂いた。
二台同時。
タイヤが悲鳴を上げる。
白煙が爆発する。
水しぶきがヘッドライトに照らされ、無数の銀色の破片になって飛び散る。
クラッチを繋ぐ衝撃。
身体がシートに叩きつけられる。
一速全開。
ピストンが目を覚ます。
グォォォォォォン!!
さっきまで止まっていた時間が、一気に動き出した。
港の夜が後ろへ吹き飛んでいく。
そして、長かった因縁もまた。
二台のヘッドライトに追われながら、決着へ向かって走り始めた。
二台のジーノは並んだまま港の直線へ飛び出した。
グォォォォォォン!!
排気音が倉庫街に反響する。
二速。
三速。
水を巻き上げながら加速していく。
それでも隣のヘッドライトは消えない。
いや。
消そうとしていない。
昔からそうだった。
あいつは相手の走りを見てから勝負を始める。
あいつも待っている。
本当の勝負が始まる場所を。
フロントガラスに残る雨粒が街灯の光を引き伸ばしていた。
ワイパーが一度だけ動く。
ギュッ。
視界が晴れる。
隣。
あいつがいる。
昔と同じように。
「本気で来いよ」
思わず口から漏れた。
エンジン音に掻き消される。
聞こえるはずもない。
それでも言わずにはいられなかった。
その瞬間だった。
隣のジーノが前へ出る。
ターボが立ち上がる。
グォォォン!!
一気に半車身。
さらに半車身。
一台分。
「速ぇな」
思わず笑う。
昔からそうだ、あいつは直線が好きだった。
アクセルを踏むことに迷いがない。
だが、追わない。
追えないんじゃない。
追わない。
路面はまだ濡れている。
港の路肩には水が残っている。
無理をする場所じゃない。
この勝負はまだ始まったばかりだ。
ゴールは遠い。
最初のコーナー。
赤いテールランプがブレーキングで沈む。
あいつは奥まで踏んでいる。
昔と同じだ。
限界を見つける前に踏む。
俺は少しだけ早くブレーキを当てる。
少しだけ早く向きを変える。
少しだけ早くアクセルを開ける。
それが俺の走りだった。
並んだ。
コーナー出口。
水しぶきの向こう。
再び隣に茶色いボディが現れる。
あいつがこちらを見る。
驚いていた。
たぶん昔と同じ顔だった。
雨の港。
二台並走。
どちらも譲らない。
どちらも本気。
だけどまだ憎しみだけでは走っていない。
昔のチームメイトだから。
