ハヤッコ🐴さんが投稿したカスタム事例
2025年05月31日 14時32分
🚗と📷で紡ぐ備忘録。大切な人へ捧ぐ。
バッティングセンターが値上げ——それも驚愕の50%——まあ、200円が300円になっただけなのだけれど。
200円を入れてバッターボックスに構えること数十秒。どおりで投げてこないわけだ。
そんな僕のことは知らんとばかりに、隣のボックスでは「えぇ〜?どうやったらバットに当たるのぉ〜?(はぁと)」と、若いカップルがやけに楽しそうだ。
彼らに祝福あれ。
僕が通っていた山間の小学校では当時、確か4年生になってからだっただろうか、半強制的に部活に入らされた。
春夏はソフトボール、秋冬はサッカーだった。
ソフトボールは大嫌いだった。1ミリも楽しくない。
けれど、6年次の最後の試合だけは覚えている。
大きな町のマンモス校が相手だった。
予想に難くなく、ほぼワンサイドゲーム。そして最後のバッターボックスに立ったのは僕だった。
打順は9番——そう、もうお分かりだろう。僕は気づいていなかったのだけれど、ここまでパーフェクトゲームで進行していたのだ。
相手ピッチャーは体格がよく、球速も相当なものだった。この打席でも、いとも容易く追い込まれた。
最後の一球、僕はもうヤケクソで、振り遅れ気味ながらも思い切りバットを振った。
当たった。打球は一二塁間に転がって——ライト前へ抜けていった。
ライトの選手は捕球するや否や、一塁へ送球したらしい。
でも、打球のスピードはそこまで速くなかったので、足の遅い僕でもどうにか一塁は間に合った。
記録はヒット。そこへまさかの悪送球。ライトの選手はよほどパーフェクトゲームを焦っていたらしい。
僕は一塁を蹴って二塁を目指した。しかし、相手のカバーリングと連携が素晴らしく、二塁で刺されて万事休す——ゲームセット。
試合後の挨拶を終えてベンチへ帰るとき、審判員か誰かが、あと一歩でパーフェクトゲームだったみたいな会話をしていて、そこで初めて事の大きさに気がついた。
自チームで褒められることはなかったけれど、大嫌いだったソフトボールでの、たった一つの良い思い出だ。