BGFKさんが投稿したカスタム事例
2025年11月20日 22時05分
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上野行ってきて今帰路の電車
藝大奏楽堂
夜来たの初めて
パンフ開いて初めて知ったのは、
この藝大オケは、学生選抜のオケだった
いつものモーニングコンサートは、学生少し混ぜてるけど基本はプロオケの藝大フィルだった
違うのね
今日のコンサート行く気になったのは、
この間秋ヶ瀬のオフ会で、佐渡裕さん指揮、ベルリンフィルのショスタコビッチ5番をかけてもらって、
その音源は自分ももってるんだけど久しぶりに聴いて、
生オケで聴きたいなと無性に、、
もちろん今まで生で聴いたことはない
ショスタコ5番を自分が初めて認識したのは2006年のテレビドラマ、阿部寛主演の「結婚出来ない男」で、たしかシリーズの初めの頃に、
リビングでオーディオを大音量でかけててソファーに座りながら阿部寛が指揮の真似して悦に浸っている中、
隣には一人暮らしの国仲涼子が騒音に悩まされて壁をドンドン叩いてブチ切れるシーンがあり、
この曲はなんだ?と気になったらショスタコ5番の第四楽章の冒頭ということが分かった
ショスタコビッチはそれ以前から名前くらいは知ってて、ソ連下の弾圧された不遇な作曲家、くらいの印象だった
その後、5番については副題「革命」とあるので、いやいやながら書かされたプロパガンダ曲か?みたいなことも思ったりしていた
ただそういった背景部分は、調べてあまりハッピーな気分になることはないだろうなと思って、あえて調べないようにしていた
一方で、5番の音源は2017年くらいに、佐渡裕さんのCDをよくかけていた
もちろん思い切り爆音で笑
結論先に言うと、生オケの爆音は自分の車の再生音の上を行く爆音だった笑
この曲はコンテスト系では再生は無理。
生の再生音に近づけようとしたら、多分スコーカーがまず先に死ぬ
この曲が以前ハイコンの課題曲になったらしいけど、どういう採点基準だったのか知らないけど
「この曲生で聴いたことありますか?」と真面目に審査員に問いただしてもよいと思う
まず聴いてないだろう
聴いたことあるとするなら、いかにもカロの箱庭的な鳴らし方は楽曲に対して失礼千万だ
このショスタコ5番は、生で聴いてほんとにその面白さが初めて分かった
分かりやすいところでは、各パートにソロ演奏(それに近い)がある
ジャズのビッグバンドでそれぞれソロの出番があるのとある種似ている
クラオケでのこういう手法は誰あたりから始まったのか興味が湧いてきた
ソロパートのなかでも、第一バイオリンの首席(コンマス、今日はコンミスだった)のソロ部分は、この曲のその日の演奏全体の出来を左右するような重要部分で、そこを見事弾いた!という感じ
さすが藝大オケのコンマスだけあって、ここ一番の力は半端ない
逆にいうと、この曲は普通のアマオケでは怖くて聴けない
ヒヤヒヤする場面が多すぎる
また聴きどころとしては、「ダイナミックレンジを体感せよ」なところだ
ほんとに小さい音の演奏が続き、そして大爆発へと向かう
いくらハイレゾはダイナミックレンジが広いからといって、
このダイナミックレンジをヘッドホンで体感しようとしたら音圧MAXのところでは難聴注意なレベルになる
そのくらい広い
だからコンテスト系ではこの曲は無理なのだ
2017年頃、先代ミラバンで爆音して鳴らしてて、爆音のところばかり聴いてたけど笑
今日の生音の爆音はそれを超えてた
低音もそうだけど、バイオリン全員の全力で鼓膜が飽和した🤪
もう、サイコー!
笑
この曲の背景的なことで
パンフの説明では、
1936年、党機関紙から批判されてそれに対してこの曲を作曲、初演では終演後30分拍手が鳴り止まなかったとか
客観的事実として、この3行からなにを想像するか
この曲は、党官僚が聴けば帝政ロシアに対する怒りとそれに立ち上がる民衆、という姿に思えるだろう
しかし、今日自分が思ったのはそうではなく、ショスタコビッチはソ連の支配体制に向かって「お前らに未来はない」と言ったのではないかと
それは分からないなけど、この曲は曲として面白いだけに、永遠に問われるテーマになるのではないかと思う
今日の藝大オケはほんと素晴らしい演奏だった
実は来週、音大フェスティバルで藝大が出る回のチケット買ってて、そこもショスタコ5番なのだ
もう一回聴きたいと思ったのでとてもラッキーで楽しみだ
