ミラジーノの大岡市民活動センター・よくわからないまま始まったストーリーに関するカスタム事例
2026年05月17日 20時42分
先日、アップガレージの帰り道に1枚
5月なのに真夏のような暑さ…
夜なのに暑い…
夏祭りでもやってそう🎇
前々回に投稿した話の続き載せてみる
「俺達らしい勝負のつけかた?クルマか?」
そう問いただしながらポケットの煙草に手を伸ばす。
あいつは煙を吐きながら笑った。
昔みたいな顔だった。だから余計に気に入らない。
「そうだ。やるなら、それしかねぇだろ」
一本抜き取った煙草を唇に咥える。
火は点けない。
「今さらタイマンごっこか」
「ごっこじゃねぇさ」
あいつは肩越しに、自分のクルマを親指で示した。
同じ車種。同じ形。
昔は、連なって走るだけで楽しかった。
「白黒つけようぜ」
港の奥で、波が鈍く砕ける。
誰も喋らなかった。
後ろの連中も、煙草の火だけ浮かべて黙っている。
俺は煙草を指で回した。
湿った夜気が、紙を少し柔らかくしている。
「……コースは?」
あいつの口元が、ゆっくり歪む。
待っていた質問だった。
「工場沿いを抜けて、十三号埠頭を回る。ガソスタで折り返して、ここまで」
「昔、お前が一番速かったルートだ」
ライターの火を借りる。
煙を吸い込む。苦い。
「ふっ、終わらせるには丁度いい」
あいつはその言葉に頷きもしなかった。
ただ静かに煙を吐いて、
「逃げんなよ」
とだけ言った。
手下の一人が、二台の間へ出た。
濡れた路面の中央で、片手を上げる。
「それじゃ、クルマ並べてくださーい」
ヘッドライトが白く滲む。
二台がゆっくり前へ出る。
タイヤが水を裂く音だけが、やけに長く残った。
隣に並ぶ。
同じ車種。
同じ色。
同じように港の夜を走ってきたクルマ。
だが、中身はもう別物だった。
グォン。
あいつが軽く煽る。
少し遅れて、俺も返す。
ヴェォン。
湿った空気が震え、倉庫の壁に反響する。
港にいたはずの夜鳥が、一斉に飛び立った。
グォン!
グォン!
回転の上がり方でわかる。
あいつのエンジン、前とは違う…
レスポンスが速い。
無駄な重さをかなり落としてきた音だ。
ヴェォン!
俺は短く煽る。
回転は鋭く跳ね上がり、すぐ落ちる。
後ろで見ている連中が、わずかにざわついた。
昔のままのクルマじゃない。
それくらいは、音で伝わる。
スターターの手が、まだ上がったまま動かない。
時間だけが置き去りになっていた。
排気音は響いているのに、景色は止まって見える。
ヘッドライトに照らされた煙だけが、ゆっくり流れていく。
雨上がりのアスファルトに映る光。
タイヤの熱。
ガソリンの匂い。
半分まで燃えた煙草。
誰も喋らない。
エンジンだけが、互いの過去を怒鳴り合っている。
グォォン!!
あいつがもう一度、大きく煽る。
挑発だった。
「この音⁉︎JC-DETか!713cc直列4気筒ターボエンジン!確か120馬力…」
俺は視線を前に固定したまま、アクセルを軽く踏む。
ヴァンッ!!
一瞬だけ、空気が裂けた。
「俺のEJ-VEが989ccとはいえ、馬力はあいつの約半分…」
スターターが笑う。
凍っていた時間が、ようやく動き出そうとしていた。
決着まで描いてしまおうと思ったけど、一旦ここまで…
温泉街も似合うのか?

