86のYukiさんが投稿したカスタム事例
2025年08月08日 00時16分
スタートスイッチを製作しました。
よくあるクラッチスイッチキャンセルではありません。
プッシュスタートが大嫌いです。
ZN6に限らないと思うのですが、エンジンスタート(クランキング)が起動する条件は「クラッチSW ON&プッシュスタート」ではなく「クラッチSW OFF→ON&プッシュスタート」のような気がします。
というのも信号発進でエンストするようなシーンではクラッチを踏むか踏まないかの状態のはずですが
そのままクラッチを踏み込んで、或いは踏み続けプッシュSWを押すとクランキングしてくれる時もあるし、IG ON→OFFになってしまう場合もよくあります。
こういう場合は一度クラッチを踏み直してプッシュSWを押せば良いのですが
すぐにエンジンを掛けたいという時に一旦クラッチを戻すなんて、身体がうまく反射してくれません。
昔乗っていたHCR32なんて右手を一捻りすれば済むだけのことだったのに、
このプッシュSWのモーダル動作は不満でした。
最初に考えたのは、セルモーターリレーのスイッチを作ること。
でも、ACCカットオフ制御とか、それ以外にECU側でスタート時にどんな制御をしているかわからないのでやめました。
クラッチSWのキャンセルは割とやっている人が多いですが、ACCが使えなくなる(トグルスイッチ等の場合)、同時押しが必要(プッシュスイッチ等の場合)といった使い方も嫌でした。
色々考えたのですが、
・クラッチSW ON+プッシュでスタートする
・エンスト再始動に失敗するのはクラッチ踏み直しが必要だから
ということなので、要はクラッチSWとプッシュSWを同時短絡させるスイッチを作ってしまい、クラッチSWが短絡するのはスタートする時だけにすれば良いのではないか?と思い至りました。
考えていた方式で懸念だったのは、
・SSW1とSSW2を常時短絡させたらエラー等検知されないか?(並列に短絡してくれるスイッチなんてそんなにない)
・クラッチSWとプッシュSW同時押しでスタートしてくれるのか?
ということ。
前者に関しては、1と2の役割がよく分かりませんが特に問題無いみたいです。
後者に関しては、実際にクラッチペダルを踏むのとプッシュSWを押すのを同時にするとクランキングしたりしなかったり。
少しでもクラッチの方が遅いとクランキングしない。
もしかすると遅延リレーも使わないとダメかと思いましたが、スイッチ化した結果としては同時短絡で何度やってみてもちゃんとクランキングしてくれるので
とりあえず様子見ます。
このような回路にしてみました。
SSW1/2の割り込み配線を作動時にAGNDではなくボディアースに落とすようにしていますが
AGNDはボディアースと常時短絡しているようだったので良いと判断しました。
安全のためIG ONでのみ動作するようにしています。
OFFやACCではスタートSWを押してもクランキングしないので、必ずプッシュSWを2回押してIG ONにする必要があります。
つまり、昔のキーシリンダー時代と同じ作法です。
IG ONは実際にはIG2ヒューズからの分岐ではなく、オプションカプラーから取りました。
クラッチSWは接続していないので
クラッチを踏もうが踏むまいが、元々のプッシュSWを押してもクランキングはしません。
購入した商品は
以下の通り
・押しボタンスイッチ モーメンタリ 2NO2NC DPDT
・コンパクトリレー
・クラッチスタートキャンセルハーネス (色々な業者が販売しています。クラッチ側は外しっぱなし)
・住友電装 025型 TS 非防水 10極 カプラー・端子セット(プッシュSW割り込み配線製作用)
・矢崎総業 090型 IIシリーズ用 6極 オスカプラー・端子セット タイプ2 (オプションカプラー接続用)
・リード線 (0.5sqを使いましたがプッシュSWのカプラーには0.3sqの方が良さそう)
これで、車両側ハーネスは一切傷を付けずに取り付けました。キーシリンダーのグロメットを買い直せば元通りに戻せます。
配線は結線部ははんだ付けをして、熱収縮チューブで保護しています。
メリット
・プッシュSW (モードOFF → ACC → IG ON 切替のみ)とスタートSW (クランキング)の機能分離
・エンスト時はスタートSWですぐに再始動できる
デメリット
・ギヤが入った状態でエンジン始動できてしまう
・車屋とかに渡す時にクラッチSWを繋げるか、掛け方を説明する必要がある (いずれクラッチSW用のSWも付けたい)
・スイッチがチャチい(横に力をかけたらすぐに折れそう、信頼性も低そうだったので4個セットを買った)