フェアレディZのfeel's Ｚ・誰が一番速いんだ…・ノンフィクション？に関するカスタム事例

前回、前々回に続き備忘録
FICTION
真夏の夜の夢…FINAL

追い上げて来る…
いや、無理だな…
オレには追いつかない…
だから言っただろ、ココはオレの縄張だって！
ん…！
前方に赤いテールランプ…
真っ黒いハイエースが２台…
イヤな感じだな…
チョロチョロ出てくんじゃねーぞ！
追い抜き際、「ドン」と空気を叩く音が響き
車体を揺らす…

ウエイトゲートの開放音を伴い
一気にスピードが乗る
視界が狭まるり心拍数が上がる…
普通に生活していれば知る事の無い世界
3速…
4速…
5速…
このEgの魅力は5速フルブーストでの加速
アクセルに連動してスピードメータの針が
メーター上を駆け上がって行く…
250…
260…
270…
ヘッドライトが、うねる様に波打ち
補修だらけの路面を照らし続ける…
既に3台のZ33はミラーの中で
ライトを光らしている

前方には銀色Z31のテールランプ…
更にその前方に２台の一般車…
銀色Z31が一瞬で２台をパス…
直後、その内の１台がウインカーも点灯せず
追越車線へ移動…
2車線を防ぐ様にゆっくりと並走し始めた

Z32のハイビームが黒い塊を照らし出す！
少しの緊張感を伴い、有り得ない速度から
一気にブレーキング…
まるで画面が速送りされている様に
車間が詰まる
同時にブレンボの制動力とSタイヤのグリップで
4点ベルトが体に食込む…
なんだコイツら！
そうかそう言う事か…
こういうタイプは好きに成れない…
２台の隙間に鼻先をネジ込む様に
更に車間を詰める…
ハイエースのリアモニターには
Z32のボンネットが大写に成っている
数秒後、運転手が何を感じたかは不明だが
ウインカーを点灯させ走行車線に戻る…
追抜き際、運転手に視線を送るが
じっと前を見つめ目を合わせない…
スピードメータは法定速度を指している…

オイオイ、何だか前の動きが怪しいな…
フムフム！教育的指導ってヤツだな(笑)
GODZILLAの水温も怪しいし…
まあ、今日はいいタイミングだな！

あらら、いきなり前が詰まった…
そうか！
オッサン達の電池が切れたな！
仕方無いね〜年寄は…

どうやら招かれざる客人が現れた様だな…
今日は此処まで…かな

回し切ったEg特有の息遣いと
陽炎の様な熱気を放ちながら
５台はパーキングに滑り込む…
青白い街路灯が辺りを照らす

GODZILLAのオーナーがボンピンを解除し
幾つものダクトが彫られたボンネットを開ける
大型のコンプレッサーが鈍く光り
Egから立ち昇る熱気で皮膚がヒリつく…
続いて銀色Z31…Z32…
全車がボンネットを開けた後には
ここだけ熱気が違う…

5年前…
あの時の偶然…
あの日、あの瞬間を共有しなければ
この時を迎える事は無かった
年に数回、この非日常的な時間を
共有する為だけに集り
濃密な記憶を積み重ねる…

生まれた場所も
歩いて来た道も違う…
そしてこの先の進む道も…
それぞれの事は何も知らない…
知る必要も無い…

じゃあまた…
そう言い残し１台…また１台
何事も無かった様に走り出す…

走り続けて来たからこそ
今、わかる事がある…
スピードの神に取り憑かれた者達…
支払う代償は金、時間、そして人生…
捧げる物は多く得られる物は少ない…

既に薄明るい東の空には
明けの明星が煌めいている
次に合うのは…

FINE

昨年の夏…
ある日の備忘録です
長々とお付き合い頂き
有難う御座いました!

全てフィクションです(笑)
モデルに成って頂いた皆様、
本人とは大きく異なるキャラ設定を
お許し願います🤣